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日本の皇室(知っておきたいシリーズ)


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教育 ブック
開発者 NOWPRODUCTION, CO.,LTD
無料

天皇・皇族には一般の法律が適用されない!?

処罰されないかわりに言論や表現の自由もない。
健康保険や国民年金には加入していない。

――意外と知られていない皇室の暮らしを問答形式でわかりやすく紹介。

皇族に戸籍や住民票がないのはご存じですか?

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※本文抜粋※

◆第1章 皇室の方々の日々
【天皇・皇后の食事には毒味役がいるの?】

「お毒味役がいるのだろうか?」という疑問をもつ人もいるだろう。
昔は必ず、大膳課と天皇・皇后の暮らす建物が離れていたうえに、毒味役がいたため、
昭和天皇は「熱いものが苦手だ」という説があったが、いまは、そのようなこともなくなり、毒味役もいない。

ただし、すべての品から少量を取り分け、侍医が食べる「おしつけ」という習慣はいまも続いている。
これは、実際に味わってみて、塩分や脂肪分などの調整と、おいしさのバランスをとる目的からだ。


◆第2章 皇室の基礎知識
【皇統断絶の危機はなかったの?】

125代にわたり、一筋の血脈をつないできたのは並大抵のことではない。
その間には、何度となく血脈が途絶えるような危機もあった。とくに古代には何回も危機が生じている。

神武天皇から第13代の成務天皇までは、父から子への継承というかたちをとっていた。
しかし、第16代の仁徳天皇の後、履中、反正、允恭の3代はみな仁徳天皇の子で、兄弟が皇位を継いでいる。

さらに、第21代の雄略天皇は皇位継承をめぐって、
近親の皇族と諍いを起こし、彼らをほぼ全員殺害して、ようやく皇位を手に入れた。
その後、子の清寧天皇が即位したが、病弱で早く亡くなり、子もない。

そこで第17代の履中天皇の孫にあたる兄弟を播磨から呼び寄せ、
第23代の顕宗天皇、第24代の仁賢天皇とし、どうにか断絶の危機を回避している。

しかし、仁賢天皇の子、武烈天皇にも子がなく、ついに仁徳天皇の血統はここで滅ぶ。

しかし、武烈天皇の後は第15代の応神天皇の5世孫を越前から迎えて、第26代の継体天皇としている。
ただ、継体天皇はあまりに遠い血縁であるところから、武烈天皇の妹(仁賢天皇の皇女)の
手白香皇女を娶り、皇統を継ぐ血脈を濃くする道を選んでいる。

こうした危機を経た後は、天皇に子がない場合には兄弟姉妹で継承するなどして、
今日まで、血脈による継承が続けられてきたのである。


◆第4章 皇室の財政
【皇室の方々は税金を払っているの?】

毎年の収入にあたる内廷費は非課税で、所得税も住民税もかからない。
出版物の印税や講演の謝礼は
「私的経済行為であり、皇室経済会議などの議決を要しない」とされている。
そのため皇族方の私的収入になる。
ただ、昭和天皇は、印税は現物の本で受け取り、研究所などに寄付していたという。
皇后は印税を日本赤十字社や各種施設に贈っているという。

これは税金ではないが、皇居ではもちろん電気代、ガス代などの公共料金もテレビ受信料も支払っている。

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※本書は角川学芸出版・平成21年10月25日発行「知っておきたい日本の皇室」のiPhone/iPadアプリ版です。